「……疲れた。愁季、飲みもん買いに行く」
「あ、俺も行く!……千愛実ちゃん、千愛実ちゃん」
愁季くんが何やら私を手招きしている。
「なにー?」
愁季くんのそばに行くと、愁季くんは私に耳打ちした。
「千愛実ちゃん、すごいよ」
「え?何が?」
「あいつが女の子とあんなに話すところ、滅多に見たことないから。いつも話しかけられても無視するのに。……千愛実ちゃん、これからも積極的にいった方がいいかも」
うそ……!
ホントに!?
「あ、ありがとうっ!」
愁季くんは私に笑顔を向けると、龍牙の後を追っていった。
嬉しい……嬉しい!
もっと、もっと龍牙との距離を縮めたい。
もっと龍牙のことを知りたい。
「~~っ!南波ー!!」
嬉しさのあまり、南波に抱きついた。
「危ないから急に抱きつかないでよー」
「ごめんねー」



