あれから、私は太一の家に出向いた。



少し足が震えたけれど、龍牙が隣にいてくれるというだけで全然怖くなかった。




太一は私の隣に龍牙がいることに驚いてた。

たぶんもう別れたんだとばかり思ってたんだろう。




だから、言ってやったんだ。



「私の過去を言いふらしたければ言いふらせばいい。私はもう、過去に怯えたりしない」



って。
思いっきり睨みつけてやった。



隣に大好きな人がいるだけで、それだけで強くなれる。




強く生きていこうと思える。




「やっぱり、運命の出会いだったなぁ」



龍牙と初めて会った時を思い出した。

この人だ!!って、本気で思ったんだ。



龍牙じゃなかったら、今も過去を乗り越えられないままだったかもしれない。




「何か言ったか?」


「ううん、なんでもなーい」




あの時、恋に落ちたのがあなたで良かった。


出会えて良かった。