「なんで顔背けるのー!?」


「だからヤダって言ってんだろ」


「お願い!一回だけ笑って、ね?」





手を合わせてお願いポーズをすると、龍牙が諦めたように「分かったよ」と言ってくれた。




言い合いをしているうちに2枚目の写真を無駄にしてしまったので、3枚目の写真をちゃんと撮るようにした。




『3、2、1…』




カメラがシャッターの音を鳴らす寸前。



え…?



龍牙の顔が近づいてきたと思った瞬間、こめかみあたりに温かな感触を感じた。




なにが起こったのか分からないままパシャッと音がして、写真が撮れた。




「龍牙、今…」


「なに」


「キ、キスした?」


「嫌なの?」





嫌だなんてっ…。




「嫌なわけないじゃん!ありがとう龍牙ー!!」


「抱きつくな、暑苦しい」




これが抱きつかずにいられますか!!