龍牙の待つ場所に向かう。 「千愛実、こっち」 呼ばれた方を見ると、龍牙が建物の壁に寄りかかりながら、私を手招きしていた。 少し余裕のあるジーンズに、白のTシャツ、黒のパーカーと、シンプルな格好。 相変わらずカッコイイ。 「龍牙!」 一目散に駆け寄ると、私は龍牙に飛びつく。 もう、抱きつくのは挨拶みたいなものになってる。 「分かったから。はやく行くぞ」 「はーい」 龍牙と手を繋いで歩き出した。