「お前は俺から、逃げられないんだよ」




太一はそう言って、歩いて行った。




これからどうなるの?


私、また昔に逆戻りするの?




そんなのイヤ。


やっと、やっと大好きだと思える人に出会えたんだよ?




「龍牙……っ……」




会いたい。

会いたい、会いたい。




あの暖かくて安心する腕で抱きしめて欲しい。



あの低くて優しい声で、大丈夫だよって、言って欲しい。




龍牙、私…どうすればいい?