どうりで龍牙が好き勝手に訓練できてるわけだ……。
「着いた」
龍牙は会議室と書かれた部屋のドアをノックする。
「はい」
「親父、俺だけど」
「あぁ、入りなさい」
低くてすごくカッコイイ声だなぁ。
なんて思っていると、龍牙がドアを開けたので急いで身支度を整えた。
「君が千愛実ちゃんだね」
中に入ると、優しそうにニコッと笑うダンディな男の人がいた。
カッコイイ!
龍牙のイケメンの血筋はお父さん譲りだね!
「初めまして!遠藤千愛実といいます!」
「親父、こいつが俺の彼女」
「そうか。可愛い子だね」
可愛いだなんて、そんなー!!
って、何考えてんの私!
しっかりしなきゃダメじゃん!
「龍牙、お前はもう大丈夫なんだな?」
「……あぁ」
マサくんと同じこと言ってる……。
でも、なんだかちょっと違う。
お互い遠慮気味っていうか……。
これは、まだ二人の心がちゃんと繋がってないんだね。



