龍牙は少し汗ばんでいて、息を切らせている。
まるで、全力で走ってきたみたいな姿だった。
でも今の私にはそんなことどうでもよかった。
なんで龍牙がここにいるの?
その疑問が私を埋め尽くす。
「……ちょっと来て」
「え……」
龍牙に腕を引っ張られて来たのは、近くにあった小さな公園。
私の腕を離した龍牙は、真剣な目で私を真っ直ぐに見つめた。
久しぶりに龍牙の顔を見て、私の胸がドキッと音を立てる。
「お前、なんで最近来なかった?」
「……」
「俺のこと見てたのもお前だな?」
「……」
どう返事をしていいか分からない。
「ごめんなさい……」
「謝って欲しいわけじゃねぇ。理由が知りてぇって言ってんだよ」
な、なんか……少し怒ってる?



