だから私は、放課後隠れて龍牙の姿を見に行った。
ストーカーみたい……。
そう思いながらも、一目見られるだけで十分だった。
本当はすごく抱きつきたい。
でも、今はそれだけでいい。
龍牙を一目見に行くこと数日。
あの女の子の姿はなかった。
もしかして、私の思い過ごしだったのかな。
けど、あの龍牙が女の子にアドレスを教えたりするかな。
私が何度聞いても教えてくれなかった。
それを教えているあの子は、やっぱり特別ってこと……。
考えながらも、私は今日も龍牙を一目みようとやってきた。
道端に植えられている木の影に隠れて、龍牙が出てくるのを待った。
今日も一人かな。
そんな淡い期待を持っていた私の心は、あっという間に崩されてしまった。