所詮、私はただのウザい女の子なだけだったんだ。
龍牙には、傷を癒してくれる彼女がいたのに。
私は大口叩いていただけの、迷惑な女の子だったんだ。
龍牙のあんな優しい顔、見たことなかった。
あんな顔が出来る子に会えたんだ。
あの極度な女嫌いだった龍牙が、あんな顔を見せられる程の、信頼出来る女の子に会えたんだ。
嬉しいことだよ。
龍牙が過去を克服して幸せになったんだから。
その幸せを崩しちゃいけない。
私は龍牙に会えたから、過去のことを少しでも忘れられて、心から笑えることが出来た。
でも私は結局、汚れた女の子だから。
それ以上の幸せを望むことなんて、許されなかったんだ。
「ふぇ……っ……」
ありがとう、龍牙。
ありがとう、大好きな人。
こんな私に、少しでも幸せを感じされてくれて、ありがとう。
だから、幸せになって。
本当は……。
「私が、幸せにしたかったなぁ……っ」
私が龍牙を幸せにしたかった。
隣にいて、笑い合っていたかった。



