それは多分アイツのせいだな。 いつもニコニコしてる変な奴。 昨日も相変わらずのしつこさで、仕事だって嘘つくまで離れなかったし。 「……お母さんのこと、吹っ切れたの?」 「え……?」 突然落ち込んだように呟いた坂井を見ると、今にも泣き出しそうな表情をしていた。 「何かあった?」 俺の問いかけに、少し経ってから坂井は話だした。 「お父さんが……帰って来たの」 「え……!?」