その手が優しくて、それと同時にさっきのことを思い出して、胸が苦しくなった。 麻由という女の子。 同じ学校の子達が言うくらいだから、学校で仲良くしてるってことだよね。 龍牙が私とだけ仲良くしてるなんて、そんな思い上がりなことを思ってたわけじゃない。 だけど……。 「ねぇ、龍牙……」 「なに」 麻由ちゃんって、誰? 「……ううん、何でもない」 私はただ、俯いていることしか出来なかった。