「ちょっと可愛いからって、調子に乗ってんじゃねぇよ!」
乗ってませんー!!
わ、私何かしたー!?
「おい、聞いてんのかよ!」
その言葉と同時に、冷たいものがかけられた。
ポタポタと毛先、頬から滴り落ちていく。
水をかけられたんだと、すぐに分かった。
「あたし達がどんなに話しかけても目すら合わせてくれないのにっ……!」
「なんでアンタなんかとっ……でも、勘違いしないでよ!?龍牙くんと話せる女はアンタだけじゃないんだから!」
え……?
「麻由だって、龍牙くんと仲良いんだから!」
麻由……?
私以外の、龍牙と仲良しな女の子……?
バン!!
「千愛実!!」
勢い良く扉が開いたと思うと、南波が慌てたように私を呼んだ。



