「お前ら、勝手に人の取ってんじゃねぇよ」
龍牙は男の子達にそう言い放つと、私の隣にドカッと座り込んだ。
「……大丈夫か?」
「あ、うん。ありがとう」
また、助けてくれた……。
それだけで、すごく嬉しかった。
「なんだよ矢吹ー!モテる奴はあっち行けよ!千愛実ちゃんまで独占すんな!」
「そうだそうだ!千愛実ちゃんこっちおいで!」
行きたくないっ……!!
私は龍牙の袖をキュッと握った。
「うっせぇな。これ以上しつこくすると警察に突き出すぞ」
龍牙は近づいてくる男の子達を睨みつける。
龍牙、それ脅しじゃないよね。
本気でやりかねないよ、この人……。
龍牙にビビった男の子たちは、そそくさと引き下がって行く。
「龍牙、女の子達……いいの?」
「なんで」
なんでって……。
龍牙が来てくれて嬉しいんだけど、さっきから睨まれてる気がして怖いんだもん!
絶対私睨まれてる!!
「……腹減った」
「え?」
「ずっと囲まれてたから食えなかったんだよ」
あ、そっか。
女の子って話出すと止まらないし、加減がきかないからね……。



