「わ、悪い!隣に座るだけだから、帰らないで!」




南波の言葉が効いたのか、男の子達はそれ以上大勢で近づくことはなかった。




「ありがとう、南波」


「いえいえ。辛くなったら言いなよ?」


「うん」





南波がいてくれてよかった。





それから男の子達と話したけれど、皆優しい人達で少し安心した。




龍牙と愁季くんは相変わらず女の子達に囲まれている。



愁季くんは困ったように苦笑いを浮かべながら話していて、龍牙に至っては無表情で無言を貫いている。




せっかく龍牙が近くにいるのに、これじゃ話せないよ……。





「千愛実ちゃん、千愛実ちゃんって彼氏とかいる!?」




ボーッと考え事をしていると、乾杯の合図をとっていた男の子がいつの間にか隣に座っていた。