再び俺が水を買いに行こうと立ち上がると……。 「うーー…………」 千愛実は俺の服を更にぎゅっと強く握りしめ、首を横に振った。 「ふぇ……」 ……どうしたらいいんだ、これ。 女に興味がなかったから、こういう時の対応の仕方が分からない。 愁季だったら、上手いこと立ち回れるんだろうけど。 迷った末、俺は千愛実の頭にポンっと手を置いてなでた。 これしか思いつかねぇもんな……。