「南波は今何してるの?」
「愁季と買い物ー。龍牙くんはお父さんに呼ばれてるとかなんかで、先に帰っちゃった」
待って、好きな人と一緒ってこと!?
「ズルいよ南波!私も龍牙と買い物したいー!!」
「まぁまぁ、明日会えるじゃん」
そーいう問題じゃなーい!!
南波は愁季くんが呼んでるとのことで、電話を切ってしまった。
いいなぁ、南波……。
電話を切ったところで、丁度目的地についた。
バスを降りて街中を歩いていると。
「千愛実……?」
ふと名前を呼ばれて振り返る。
私の名前を呼んだ、その人物を見て、私は頭が真っ白になった。
なんでっ……!
なんでいるの……!?
「太一……!」
私の幼なじみ。
そして……あの日私に傷をつけた、張本人だった……。



