「おーい、お二人さん!何イチャついてんだよ!」




いつの間にか隣に来ていた愁季が、からかうように俺を肘で突ついた。



「……イチャついてねぇよ」



「あーん、とかやってたじゃねぇか!俺だってまだ南波ちゃんにしてもらってねぇのに!」




つーか、それただの逆ギレじゃねぇか。


呆れながら、ふと横を見ると。





「千愛実ー?間接チュー狙ってたんでしょ!」


「えぇえ!?違うよ!これはただ龍牙が食べたいかなって思って……」


「照れなくていいから!実は狙ってたんでしょ?」


「だから、違うんだってばー!!〜〜っ、もうヤダー!南波のいじわるー!!」




千愛実はそう言うと、顔を真っ赤にしたままどこかに小走りで行ってしまった。




……騒がしいやつだな。