「アイスー!龍牙、何食べる?」
結局、アイス屋に来てるし。
「俺はいらない」
「えぇ!?せっかく来たのに!」
「甘いの嫌いなんだよ」
チョコはビターチョコしか食えないし、キャラメルなんていったら、もう吐く勢いで無理。
それほど、甘いのが嫌いだ。
「そっか……。じゃあ仕方ないかー……」
甘いものが好きな愁季は、瀬田と一緒にアイスのメニューを見ている。
……カップルみてぇだな、アイツら。
旗から見たら、両想いなのはバレバレ。
けど、本人達が全くお互いの気持ちに気づいてないから、進展がない。
早くくっついちまえばいいのにな。
そう思いながら千愛実に視線を戻すと、真剣な顔でアイスを選んでいた。
唇を尖らせて、少し眉間にシワを寄せて悩む千愛実。
その姿が少し可愛いと思ったことは、絶対に言ってやらない。



