「だから、いつもなら無視するのに何で急に話すようになってんの!?」




あー……。



「俺にも分かんねぇよ」



愁季の横を通り過ぎるのと同時に、愁季にだけ聞こえるように言った。




……わかんねぇよ、俺にだって。




昨日まで、話す気もなかったのに。




「龍牙?どうかしたの?」


「何でもねぇよ」




ほら、また俺は答えてる。



どうしたんだ、俺……。