そして、校門を出た時。



「龍牙!」


「っ……」



ガバッと横から抱きつかれ、一瞬息が止まる。



こんなことをするのは、一人しかいない。




「おかえりっ!遅かったね?」



ニコッと、いつも通りに笑うこいつ。



「あ!千愛実ちゃん!」


「愁季くん!こんにちは!南波もいるよー」




愁季がいることに気づいた千愛実は、俺から離れると瀬田と一緒に愁季と話出した。




俺は楽しそうに話す3人をおいて歩き出す。




「あ!待って、待ってよー!龍牙ー!」




歩き出した俺に気づいた千愛実が、焦ったように小走りで俺の隣にきた。