俺は強くなんかない、弱いんだって。




「……が、龍牙!」


「あ……何だよ」


「何だよ、じゃなくて。もう終わったけど」




気がつくと授業はもう終わり、放課後になっていて、愁季が呆れたように俺を見ていた。




あー……やべ。

全く気がつかなかった……。




「お前、昨日何してたんだ?待っててって言ったのに先に帰っちまうし」


「……別に。何もねぇよ」





鞄を持って席を立ち、愁季と一緒に校舎を出た。