その温かいものは、龍牙の手のひらで。



私、撫でられてる……?



驚いて顔を上げると、無表情のまま……けれど、さっきよりどこか優しい目の龍牙が、私を見ていた。




「龍、牙……?」



龍牙は手を離し、「勝手にすれば」と、ボソっと私に呟くように言うと、公園を出て行った。




勝手にすれば、って……。


私、今まで通り、龍牙を追いかけてもいいってこと……?



少しは、認めてもらえたのかな?



「〜〜っ!ヤッターー!!」



嬉しい。

嬉しい。

嬉しい。




久しぶりに私を見てくれた。


久しぶりに龍牙に触れることができた。




龍牙に、認めてもらえた。




私はその日、幸せな気分のまま一日を終えた。