何で、こっちを見てくれないの?



私は我慢できなくて、龍牙の手を握った。


「!」



私が急に握ったことで、龍牙は驚いてこっちを向いた。



「やっと、見てくれた……」



だけど、こっちを見てくれたのは一瞬だけで、龍牙はすぐに目をそらしてしまった。



「何かあったんでしょ?何があったの……?」

「お前には関係ない」

「でも……」

「ウザいんだよ!俺に近寄んな!」



初めて聞いた龍牙の怒鳴り声に、私は肩を震わせた。