「千愛実!」

「あ、南波」


私を追いかけてきたのであろう南波が、少し息を切らした様子で駆けてきた。


「あ、南波……じゃないよ。すぐどっか行くんだから……。あれ?この二人は?」


南波は彼がいることに気がついた。


二人?

運命の人だけじゃないの?


私はもう一度視線を戻した。



すると……。



「あれ?お友達かな?」


彼とは正反対の、明るくて人懐こそうな茶髪の男の子がいた。



き、気づかなかったっ……!!