家出をし、この街に来たレイカは康さんのお父さんが取り仕切るキャバクラで働き出した。 いくら見張りの奴らでも、敵対している組で働く子を無理やり連れ帰ることなんてできなかった。 「でも、敵対する組の娘とわかれば連れ帰れたんじゃないんすか?」 「あぁ。親父がレイカを引き受けたんだ。レイカを絶対に引き渡すなと命令した」 向こうも下手に手を出せば揉め事になることはわかっている。 だからレイカを手放した。 血の繋がった娘でない以上、利用できないならばいらないということだ。