いくら息子の頼みとはいえ、組を潰すことなんてできない。 康さんの父親はこの街を渡すという条件をアッサリと断った。 あの頃の康さんも正しい選択だと思っていた。 でも、レイカはそんな康さんに怒りをぶつけた。 もう会えなくなるかもしれない。 側にいられなくなるかもしれない。 それなのに平気な顔をしている康さんが理解できないと…… 男と女の違いだろうか。 それとも俺にはまだ大切な存在がいないからだろうか。 絶対にこの選択に間違いはないと思った。