「ややこしいっすね」 「そうか?」 「レイカの母さんが裏切り者で、自分の旦那を殺したってことっすか?」 「簡単に言えばそういうことだ」 「レイカの母親は敵対する組長と再婚し、レイカもその組の娘となった」 「それが二人の間にある過去ですか?」 「それだけならよかったんだけどな」 そう言って康さんは新しく注文したビールをまた一気に飲み干す。