「伸也さん。いつまでそうしてるの?」 窓の外を眺めている俺の背中を亜美が叩く。 「行くか?」 「行くか?って、私はなんで今日呼ばれたのかもわからないし」 頬を膨らませる亜美の頭をグシャグシャと撫でる。 「卒論で忙しいんだから、用がないなら帰るからね!!」 セットしてあった髪をぐちゃぐちゃにされ、尚更機嫌が悪くなった亜美。 「いいから行くぞ」 そんな亜美の手を強引に引き、車の中に押し込んだ。