「この街を出る」 「みたいね。使うだけ使って、用がなくなったら捨てるんだから、嫌になるわ。シンくらいよ。私にそんな仕打ちをするのわ」 レイカとは境の一件が片付いてから、会ってもいないし、連絡もとっていなかった。 だから、こうして話をするのは物凄く久しぶりだった。 「捨てたつもりはない。もともと、そういう関係でもないだろ?」 「確かにね」 注文していたコーヒーがテーブルに届き、話は遮られた。