バース(アイシテルside伸也)


亜美が俺の瞳に写ることは……



もう二度とない。



その場に泣き崩れた俺は、どうしても立ち上がることが出来ずにいる。



どうしても、この涙が止まらないんだ。



「珍しいものが見れたわね」



人目も気にせずに泣き続ける俺の頭上から、聞き慣れた声が降ってくる。



「レイカ……どうして?」



顔を上げると、そこには相変わらず凛と胸を張るレイカの姿があった。



「少し付き合って」



そう言いながら、強引に俺を立ち上がらせたレイカは、俺の手を引きファミレスへと入る。



レイカがあの場所にいたことにも驚いたけれど、ファミレスに入っていったことにはもっと驚いた。



そのせいか、いつの間にか止まっている涙。