何か話すわけでもなく、2時間近くドライブをして“shot”へと到着した。



駐車場に車を止め、入り口へと歩く。



「亜美」



前を歩いてゆく亜美の背中に声をかけた。



「ん?」



振り返る亜美には、もう触れられないくらい離れている。



「俺、コンビニ寄ってから行くな」



すると、亜美は突然走りだし、俺の胸の中へと飛び込んできた。



「伸也さん、ありがとう」



「亜美……」



お前には何でもお見通しだな。



「私、伸也さんに出会えてよかった。伸也さんに出会うために傷を負ったならそのことすら幸せに思える。強く生きるから。いつか伸也さんに会えたときには飛び切り言い女になってるから」