そんな健気な事を思っていられたのも、10歳くらいまでだったろうか? 俺は次第に母親を憎むようになっていったんだ。 俺を暗闇の中に捨てた母親を…… 大きな家の中でいつもたった一人だった。 夜になるのが怖くて、何度も何度も泣いた。 こんな思いをしているのはすべてあの母親のせい。 俺は毎日泣き続け、涙は次第に枯れていった。 枯れたのは涙だけではなく、俺の心も枯れていった。