バース(アイシテルside伸也)


俺の部屋に来るのが久しぶりだからか、少し緊張気味の亜美に早速話を始めた。



今回の事件に関わった亜美の父親と母親のこと、境のこと、そしてレイカのこと。



「どんな理由にしろ、亜美を裏切っていたことに変わりはない」



と話の最後に俺はまたしても言い訳がましい言葉を吐いてしまう。



目の前には涙で頬を濡らす亜美。



「亜美、祐と付き合ってるのか?」



こんなこと聞いたって、意味のないことだとわかっている。



でも、どうしても最後に泣いている亜美を


抱き締めたくて……


涙を拭ってやりたくて……


亜美の返答に賭けをしたんだ。