バース(アイシテルside伸也)


亜美の血液が、俺の手を赤く染めて行く。



その光景が手首を切ったあの日を思い出させる。



パニックを起こしそうな俺は、必死に落ち着けるように自分に言い聞かせた。



大丈夫。



傷口だって、深くはない。



それに、俺の腕中にいる亜美はかろうじて意識だってあるんだ。



大丈夫。



亜美が解放されたことにより、こたぁや遼が暴れ始める。



境側との乱闘……



思う存分暴れさせてやりたかったが、警察の突入により、俺達はスッキリとしないまま、すべてが終わりを告げた。