そう思った途端に亜美の様子が気になった。
祐が側にいるし、もし亜美に何かあったとしても今の俺は駆けつけてやる事なんてできないのに、無意識に祐の携帯へと連絡をしていた。
「はい。どうかしましたか?」
祐が電話口に出ると俺は真っ先に亜美の名前を口にしてしまう。
「亜美は大丈夫か?」
「はい。変わったことはありません」
祐の言葉に安心した俺は、亜美の様子を伺うためだけに電話をしたなんて思われるのが嫌で、俺が知っている情報を祐に伝えた。
この会話を亜美が聞いていたなんて知りもせずに……
電話を切った俺はアクセルをベタ踏みする。
車も少なくなってきた道路をただ無我夢中で走り続けた。


