家の前に着くと、いつも横付けしていた場所に車を止めた。
数分もしないうちにボサボサの髪の毛にジャージ姿の亜美が出てきた。
懐かしい……
出会った頃の亜美はいつもあんな格好をしていた。
自分の身なりなんかは気にもしないで、いつだって女とは思えないような姿。
久しぶりに見る亜美の姿に俺の瞳は釘付けだった。
車の前で立ち止まる亜美に「亜美、行くぞ」とこたぁが声をかけても、亜美は動こうとしない。
そんな亜美を連れてこようと、ドアに手をかけたとき、後部座席のドアが開き祐が亜美の元へと駆け寄った。
「大丈夫か?行こう」
祐は亜美の手を引き、車にゆっくりと近づいて来る。
俺はドアにかけた手をゆっくりと離した。
そうだ……
亜美の手を引くのはもう俺の役目ではないんだ。
亜美がこんなにも近くにいるのに触れる事も、話しかけることもできない俺はただ前だけを見て車を走らせた。


