「いい加減離してくれない?!痣ができたらどうしてくれるの?!」
力いっぱい握り締めていたレイカの手を離すと、レイカは鞄から煙草を取り出し、口に咥える。
「帰ってくれ。これは俺の問題だ」
「亜美って子。この間の子よね?」
フゥーっと俺の顔に煙を吹きかけるレイカ。
この間とは、きっと道路で亜美がひかれそうになった時の事を言っているのだろう。
「そうだ」
「あの子にだけはムキになるのね?冷静で最強の伸也もあの子の前じゃ取り乱すわけ?」
からかう様な口ぶりは昔のレイカを思い出させる。
康さんに取っていた態度とかぶって見える。
「亜美に関わるな」
「どうしようかしら?」
「何かしたら例えレイカでも許さない」
俺の言葉に顔を歪めたレイカを無視して、俺は病院の中へと戻った。
レイカには世話になった。
大切だとも思ってる。
でも、亜美を傷つけるならば俺はお前ともやり合う覚悟は出来ているんだ。
スーっと大きく息を吸い、乱れた気持ちを落ち着かせる。


