バース(アイシテルside伸也)


マンションに着き、溜まり場のドアを開くと、カズと亜美が不安そうな顔で近づいてくる。



「こたぁは?」



泣き腫らした目に溜まっている涙を必死に堪えながら、そう尋ねるカズに俺は自分の思っていたことが情けなくなった。



きっと俺なんかよりもカズはジッとしてられなかったはず。



それなのに必死に堪えていやがる。



俺はカズの頭に手を乗せて口を開いた。



「俺たちが着いたときには、誰もいなかった」



「えっ……」



青ざめていくカズの顔。



「ねぇ、じゃあこたぁは?こたぁはどこ?」



カズは泣きながら俺に掴みかかる。



「カズ、落ち着け。今探させてる」



俺は自分に言い聞かせるように、カズを抱きしめた。



「いつ見つかるの?」



「今日中に見つけさせる。お前らはシャワーでも浴びてなんか食え」



「こたぁが行方不明なのにそんなことできない!!」



カズは俺の体を何度も叩きながら泣き叫んだ。



俺にはこうしてやる事しかできねぇ。



カズ。



遼が必ず見つけてくれるから。



下唇を噛み締めながら、暴れるカズをもう一度強く抱きしめた。