この日から、亜美が眠れるように食べれるようになるように、必死に頭を使った。
ろくに勉強なんかしてこなかった俺がこんなに頭を使ったのは初めてだ。
体を使う事以上に頭を使うっていうのは疲れる。
でも、少しずつ良くなっていく亜美の姿を見ていたら、そんな疲れなど吹っ飛んでいく。
亜美がだいぶ普通の生活を取り戻し始めていた頃、俺は気を緩めていた。
亜美の笑う顔を見るたびに、自分のいる世界の事も亜美の置かれている状況も忘れちまっていた。
兄貴に手を借りた事での安心感もあったんだと思う。
俺は今までどんな事でも自分自身以外の人間を頼る事はしなかった。
それが例え身内でも……
だから、初めて兄貴に手を貸してくれと頼んだ事で、安心しきってたんだ。


