猛は暫くの間、病院に入院することとなった。
自分のしたことも、俺に殴られた事もまったく覚えていない猛は目を覚ますなり屈託のない笑顔を俺に向ける。
その笑顔を見た瞬間、助けられなかった自分の無力さを痛感した。
「悪かった」
「えっ?!なんすか?」
猛は腫れ上がった顔を俺のほうへと向ける。
「助けられなくて……」
「何言ってんすか?助けてもらったじゃないですか。今こうして俺が笑ってられるってことは」
猛の言葉に俺は泣きそうだった。
頭を下げながら、涙を零さないように下唇を噛み締める。
「伸也さん、俺なんかに頭下げないで下さい」
「猛……」
俺はゆっくりと顔を上げると猛の顔がドアップで視界に入る。
「伸也さんは俺のヒーローなんすよ。そんな姿見たくない。伸也さんはいつでもカッコよくいてくれないと」
俺は鼻を啜り、猛の頭を撫でた。
「それなら任せとけ。俺はいつでもカッコいい」
「そうこなくっちゃ!!」


