バース(アイシテルside伸也)



亜美がソファーに座ったのを確認した俺はなるべく冷静を保ち亜美に問いかける。



「で、どうした?」



「何でもない」



「体中に痣作ってか?」



「うん」



「言いたくないなら、わからないように隠しとけ。バレタ以上は話せ」



俺に隠そうとする亜美にイライラが募る。



亜美に対しての苛立ちではない。



亜美にこんな想いをさせてしまったことと、話すらしてもらえない自分に対してだ。



「でも……殴らない?」



亜美の表情は突然暗くなり、小さな声でそう呟いた。



「俺は女には手をあげない」



「違う。今から話す話に出てくる人を殴らない?」



「それは話を聞いてからだ」