俺は勢いよく立ち上がり、スーツの汚れを落とすように両手で足元を叩いた。 「それより、仕事は?」 立ち上がった俺の腕に自分の腕を絡ませるレイカは「少しくらい遅れても平気よ。ナンバー1の特権」なんて微笑んでいる。 俺は呆れ顔をすると「面白そうだったからついついね。いつも真面目だから平気なのよ」と相変わらずの口調。 「店まででいいか?」 「えぇ。シンは早く帰りたいって顔にかいてあるけど」 クスクスと横で笑うレイカをエスコートしながら俺はレイカを店まで送り届けた。