道路を無事に渡りきった亜美はカズと手を繋ぎ人ごみの中へと消えていく。 ハァ~ 俺は歩道で胡坐をかきながらため息を吐く。 「振られたみたいね」 そんな俺をあざ笑うかのように見下ろすレイカ。 「みたいだな」 「あの子は?見ない顔だけど?」 「あぁ。ちょっと訳あり」 「ふーん」 納得していない表情のレイカは腕を組みながら、亜美が消えていった人ごみに視線を移す。