俺は抱えたままの亜美に視線を移し、怪我がないか確認した。 「ビビらすんじゃねーよ」 と冗談っぽく言ったのに、亜美の表情は曇ってしまう。 そんな顔をしたいのは俺のほうだよ。 「伸也さん……」 力のない声で俺の名前を呼ぶ亜美。 「どうした?何かあったのか?」 そんな声出されて、そんな目で見られたら怒る気も失せる。