レイカは立ち上がり「じゃあお店まで送って頂戴」と俺の腕に手を絡ませた。 「徒歩だけど、宜しいでしょうか?レイカ姫」 「もう、いいわよ」とふざけあう俺達。 こんな風に笑い合うことができるようになったのも、あの日から時が流れたから。 でも、レイカの心はあの日を境に止まったままだったんだな。 このときの俺はそんなことまったく気付かずにいた。