1階からガヤガヤと騒ぐ声が聞こえたので、階段の上から呼びかけた。 「2階の荷物は全部捨てる。降ろすのに何人か手伝ってくれ」 俺の声を聞いて一番最初に現れたのが猛だった。 「猛?」 「俺も手伝いに来た」 「学校は?」 学校の話をすると、猛はいつも黙ってしまう。 何故、学校が嫌なのか。 何故、この街にいるのか。 まだ一つも話してはくれない。