「シン、ちょっと待てよ!!」 遼が困惑した顔で俺の腕を掴んだ。 「遼、お前もだ」 ザワザワとする部屋の中で、一人のガキが立ち上がった。 「伸也さん、それは強引過ぎませんか?色んな理由で学校にいけない奴もいる。それに、俺らみたいな奴に働き口があるとは思えない」 まだ小学生くらいの小さなガキからでた言葉とは思えないような台詞だった。 「名前は?」 俺は床に膝をつき、ガキと同じ視線になる。 「猛」 「そうか。猛は嫌な世界を小さい頃から見すぎたな。学校行きたくないか?」