八月三十一日。
凪の十七歳の誕生日。
私達は、約束通り、海へとやってきた。
やって来たのは、人が多く集まるような海岸ではなく、人気があまりない浜辺だった。
多分、遊泳禁止のところなんだろう。
来るのに車で一時間以上かかって、それで一番近い海。
でも、見るだけなら十分の海だった。
「よかった。あんまり人が居なくて。人ごみだと疲れちゃうし」
私は車を降りて伸びをした。
「そうだね。それに、僕達だけで貸切だ」
凪はニコッと笑って言った。
こんな言葉に私はドキドキしていた。
大したことなんて言ってないのに…
やっぱり、最近の私はおかしい。
自意識過剰だ。
.


