運命の赤い糸……か。

「そんな素敵なもの、本当にあったらいいけどね。…好きな人ができて、その人も私のことを好きだって言ってくれたら、毎回そういう風に思うもん。ずっと一緒に居たいと思っても、別れる時がきて…そんなことの繰り返し……」


「僕は、別れることは悲しいとか、寂しいことだとは思わないよ」

意外なことを、ポツリと凪は言った。


「どうして?」


「別れは、始まりだよ。次にまた出会いがあるってことの予兆だと思う。だから、だから、別れを悲しいとも、寂しいとも、思わない」

そう言う凪の表情は、とても真剣なものだった。

それでもすぐに、凪は微笑んだ。

「なんて、ね。そんなこと言ってみたり」



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