「でもさ、麗海さんて、モテるでしょ」
再び凪の質問攻めが始まった。
「別に、そうでもないけど…」
私は今度は警戒しながら答える。
「でも、今まで何人かと付き合ったことはあるんでしょ?」
「まあ、人並みにはあるんじゃない?」
「へぇ……麗海さんと付き合えた人は羨ましいな」
「まーた、上手いこといっちゃって…」
凪の減らず口に、私は呆れて言った。
「お世辞とかじゃないよ。麗海さんて、美人だし、料理上手くて家庭的だし、すごい癒される」
「え―?本当にぃ?」
そうやって面と向かって言われたのは初めてだった。
それは、嬉しかったけど、やっぱり照れ臭いのと、どうしたらいいのかが分からなくて、私は軽く笑った。
「でも、振られてばっかなの。それか自然消滅」
誤魔化すために私はそう言って話の方向をすり変える。
「そうなんだ?」
「うん。前の彼氏とも自然消滅しちゃった。同じ大学の二個上の先輩で、在学中はよかったけど、卒業してからは、ね。就職して、あんまり連絡取れなくなって…多分、仕事の方が楽しくなったんだろうけど」
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